王様の耳はロバの耳

 イソップの童話に出てくる話の中に「王様の耳はロバの耳」というのがあります。子供のころ話を聞いたことがある方も多いかと思われます。話の内容としては、昔々魔法使いに耳をロバの耳に変えられてしまった王様がおり、その姿をずっと秘密にしていました。ところが、その王様の耳を見てしまった理髪師は「決して秘密を話さないように」と念を押されるのですが、どうしてもその秘密を一人だけで心に秘めておくことができなくなり、ついに川の畔に深い穴を掘り「王様の耳はロバの耳!」と叫んでしまう。数年後ある者がその場所から生えた葦から作った葦笛を吹くと、「王様の耳はロバの耳!」と歌いだします。

 ここだけの話ですが、世の中大きな声では言えないことが多すぎて、私も深い穴に向かって、この場限りの話を叫んでみたいと思います。